すまい給付金というものをご存知でしょうか。マイホームを住宅ローンで購入しようと考えている場合、このすまい給付金という給付金制度を知らないと大きく損をしてしまいます。
役所というのは私たちが得する制度、すなわち役所側、国や市区町村が損をするシステムについては進んで説明してくれません。腹ただしいですが、自分で全て調べるしかないのです。
もくじ
すまい給付金制度とは
すまい給付金とは、文字通り「すまい(住まい)」を購入する際、負担が大きいので、その金額の一部を補助金制度のように援助してくれる給付金制度のことを言います。
これだけを見ると、とてもやさしく親切な制度に感じますよね。
しかしこれ、なんてことはありません。消費税が5%から8%、10%へと上がっていく際、超高額であるマイホームはいきなりとてつもない負担増となってしまうわけです。
ですから、この負担増の部分を緩和するための救済措置というものです。
つまり、言ってしまえば「マイホームに関しては消費税を上げるのを少し待ってあげるから今のうちに買うといいですよ。ただしこの制度を知らずに申請しなかったら8%、10%でどうぞ」
こういうことになりますね。
あまり知られていませんが、土地付き一戸建て物件を購入する場合、土地の方には消費税がかかりません。そして一戸建て住宅の多くは土地価格の方が高くなっています。
例えば3000万円の物件でも、土地価格2000万で家が1000万円のケースも多いです。
この場合、消費税が5%から8%になったことで増える負担は30万円になりますね。そしてこのすまい給付金は所得制限や、所得による金額の変化はあるものの、概ね20~30万円の給付が多いです。
まさに消費税還付金制度というようなものなのです。
すまい給付金の実施期間
平成26年4月から平成33年12月まで実施となっています。
平成33年12月までに取得したマイホーム、物件に関してはすまい給付金制度として、消費税の負担を軽減しますが、それ以降はもう消費税8%、10%に慣れるだろうからおしまいです。
そういう流れですが、こういう制度はギリギリになって延長することも多いんですよね。
もちろん「延長するだろう」という思い込みでいると、延長なしでショックを受ける危険もあるので、すまい給付金を頼りにする場合は期間内にきちんとするべきでしょう。
延長するにしても、なぜギリギリになって延長するのかと言えば、これまた人が悪い話です。
あと少しですまい給付金がもらえなくなってしまう!
そう思うと慌てて買わなきゃ買わなきゃとなり、いわゆる駆け込み需要で住宅が売れます。
そうなると消費税や不動産取得税などなど多くの税金が国や市区町村に入ります。
そして終わりと思ったところで延長を発表することで、駆け込み需要の反動による売り上げ減が少なくなり、また本当に終わる時に再度駆け込み需要で売れることになります。
まぁ、あまり文句を言っても仕方ないことですから、与えられた制度、ルールの中で最も得をすることが出来るよう、権利は最大限に生かしていきましょう。
消費税を増やしてすまい給付金にする意味
こんな制度にするくらいなら、住宅関連だけ消費税非課税に・・・それか消費税増税を待ってくれればいいだけの話じゃないか・・・そういう意見も当然ありますよね。
堂々と公には言えないでしょうけれど、このすまい給付金にすることで、国や市区町村の収入が減らないケースが多くあるというのが大きな理由であると考えます。
- すまい給付金には所得制限がある(高所得者は受けられない)
- すまい給付金は所得により給付額が変わる(低所得者ほど多くもらえる)
- すまい給付金は住宅ローン使用or50歳以上でないともらえない
- すまい給付金は自分で申請しないともらえない
このように、すまい給付金を受けるにはそれなりのハードルがあります。
住宅ローンについてはこちらを参考にして下さい。
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また、権利があってもこの制度を知らない人もいるでしょう。その場合権利が消滅してしまいます。
言い方は悪いですが、役所などの還付金制度のほとんどは、自分から申請しないともらえないため、忘れてくれることを期待しているのではないか?というものばかりです。
インターネット登録などのキャッシュバック制度にはそういうものが多く、批判もよくされるのですが、役所関連の制度もほとんどがこのような忘れていて下さい系の制度なのです。
すまい給付金は不動産会社も教えてくれない
先に書いておきますが、聞けば教えてくれます。ただしそういう制度があるというくらいです。
詳しい内容は担当者さんの知識にもよりますが、専門的に知っているわけではないので、結局のところ最後は自分で調べることになるでしょう。
予算がギリギリでどうしよう・・・という時には一緒になって詳しく調べてくれる可能性も高いですが、そうでない場合はこういうシステムがあること自体を言われない可能性も高いです。
これだけお得な制度・・・そして知らないだけで大損してしまうような制度ですが、認知度は非常に低い制度です。権利の対象となる方は絶対に利用するようにしましょう。
すまい給付金以外のお得な制度
住宅購入時は、すまい給付金だけがお得な制度ではありません。
ここでもう一度言わせていただきますが、「お得な制度」というのは少し違うんですよね。こういう制度というのは、当然の権利となるので、お得というより、知っていることで「ふつう」になります。
単純に「知らないと損」な制度ということです。
もちろん他にも知らないと損をする制度があります。
- 住宅ローン控除(減税)
- 不動産取得税の軽減措置
こちらになります。住宅ローン控除に関しては他よりも認知度は高いと思います。
しかし不動産取得税の軽減措置に関してはどうでしょうか。初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。これらはどちらも大きな優遇を受けることが出来ます。
そしてもちろん、すまい給付金と同様に、自分で申請しない限りこの権利を行使することが出来ないのです。役所側からこういう制度がありますよと教えてくれることもありません。
余談ですが、住宅を取得すると、「いくらで買いました?」「土地の広さはどのくらいでした?」「いつ頃買いました?」というようなアンケートが国から来たりします。
本当に単なるアンケートです。
そんな減税にも何もならない、言わばどうでもいい書類はすぐに送ってくるくせに、こちらの権利になるものは一切送ってこないし、教えてもくれないわけです。
特に不動産取得税の軽減措置に関しては、申請期限があったり、多くの書く欄や必要提出書類があるため、本当に知らず知らずのうちに権利を失ってしまう危険性があります。
現在の制度であれば、新築物件だろうと、中古住宅だろうと、一戸建てマイホームであろうと、分譲マンションのマイホームであろうと対象になるケースが多いです。
しかも対象になれば、一般的な物件であればほぼ非課税になります。
ちなみに軽減措置がなければこの不動産取得税、かなりの高額になってきます。
こちらは所得制限などもありませんので、絶対に使うようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はすまい給付金に着目しましたが、その他、住宅関連以外でも「知らないと損」な税金制度や還付金制度は世の中に多く存在します。
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何か大きいものを購入する際や、大きな変化がある時などは、それに合った優遇制度があるかどうか調べてみる癖をつけるといいでしょう。
自分たちの立派な権利ですからね。きちんと使うようにしましょう。