マイナス金利政策が日本でも導入されて以降、住宅ローンの低金利にも拍車がかかっています。そのため多くの人が、特にサラリーマンが住宅ローンを組むようになりました。
銀行でも店頭やネット広告などで大きく住宅ローンを宣伝するようになりました。
しかしながら、それだけ積極的に宣伝している割に、住宅ローンを実際に組もうとするとなかなか組めないケースも多いです。どのようにすると住宅ローンが通りやすくなるのでしょうか。
もくじ
住宅ローン審査はサラリーマンや安定収入を好む
住宅ローンの審査はサラリーマンのように安定した収入がある人を好みます。これは、そういう傾向にあるというよりも、絶対的な条件として君臨する部分になります。
そのため、過去の実績に乏しい自営業者や、会社運営者にとっては厳しい審査となります。
例えば年収400万円のサラリーマンが住宅ローン審査を受けた場合、来年も最低400万円、再来年も最低400万円は収入があるだろうという見通しを立ててもらえます。
銀行や住宅ローンの貸主からすれば、不安が少ないということですね。
もちろん、退職、転職リスクなどがあるわけですから、本来ならばそんなに簡単に通るのもおかしい話なのですが、この場合年収400万円で通せる金額までは住宅ローンが組める可能性が高いです。
自営業者と会社運営者の住宅ローン審査
自営業者と会社運営者が住宅ローンを組みたいならば、これはもう実績が全てです。それも1年ではなく、最低でも3年以上の安定した実績が必要ということになります。
例えば自営業者では、経費などをうまく使って出来るだけ所得を下げようとしますよね。
そうすることによって税金対策になりますからね。しかし、そうやって所得を下げてしまうと実績として扱われなくなってしまいます。税金対策後の収益が実績扱いとなってくるのです。
後述しますが、無理に住宅ローンを組もうとすると、本末転倒と言いますか、何が何だかわからないような状況にもなりかねませんので、色々と事前にシミュレーションが必要です。
自営業者A
- 2015年開業
- 2015年 年収1000万
- 2016年 年収500万
- 2017年 年収200万
- 3年間トータル収入1700万
自営業者B
- 2015年開業
- 2015年 年収400万
- 2016年 年収400万
- 2017年 年収400万
- 3年間トータル収入1200万
自営業者C
- 2017年開業
- 2017年 年収5000万
簡単に想像出来てしまうと思いますが、この3人(3社)であれば、どれが最も住宅ローンを組める可能性が高いでしょうか。会社運営者も同じ扱いになるはずです。
答えは簡単、自営業者Bですね。この安定を見れば、翌年以降も400万ずつの収入が得られそうだという見通しを住宅ローン会社や銀行、信用金庫も立ててくるからです。
恐らく自営業者Aも審査は通るかと思いますが、この場合の金額は低いかも知れません。
スタートダッシュには成功したものの、それ以降どんどん収益が落ちていますので、今後の見通しが怪しいと思われ、多くの金額は借りられないでしょう。
勘違いされがちですが、住宅ローンは立派な借金です。
返してもらえる確信がない限り、銀行だって貸したくないわけですからね。
住宅ローンは金額ではない
自営業者Cは恐らく普通の住宅ローンは通りません。その前に審査の土俵に乗せてもらえないのです。5000万もの収益をあげているため、あっさり通るかと思いきや、相手にもされないのです。
住宅ローンにも様々な貸し手会社があるので、色々とチャレンジすることは出来ます。
そして実際に組めるところもあります。フラット35という住宅ローンであれば組める可能性はかなり高くなります。過去1年の実績で見てくれますので。
しかしだからと言って自営業者Cのような人がフラット35を組むことはおすすめ出来ません。
フラット35は、通常の住宅ローンと比べると諸経費も割高ですし、金利も高めに設定されています。優遇金利などもありますが、本当にどうしようも出来なかった時の駆け込み寺くらいに思っておきましょう。
このようにA、B、Cの3年間の年収を見ると、C>A>Bとなるわけですが、住宅ローンから好まれる順位はB>A>Cとなり、完全に真逆の結果となるわけです。
住宅ローンは金額ではなく、安定が好まれるというのがわかりますね。
デイトレーダーのように収入の見通しが出来ない場合はかなり厳しくなります。
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住宅ローンやプロパーローンを組むために準備出来ること
住宅ローンは組める人と組めない人で完全に分かれているわけではありません。
現時点で住宅ローンが組めない人でも、準備をきちんとすることによって希望する時には住宅ローンが組める側になっている可能性もありますし、ローン会社によっては今でも組めるかも知れません。
住宅ローンを使ってどうしても夢のマイホームが欲しい!でも住宅ローンが組めないから・・・
この流れで諦めないようにして下さい。
それでは住宅ローンが組めない人が組めるようになるためにどうすればいいか考えていきましょう。
自営業者や会社運営者は3年間の実績を作る
先ほど書いたように、自営業者は最低でも3年間の安定収入の実績がないと審査の土俵にも載せてもらえないケースが多いです。そのため、なんとしても3年間の実績を作るのです。
先ほど、本末転倒、何が何やら・・・と表現した内容について書きます。
売上がそれなりにあるものの、経費計上出来るものが多く、税金対策をすることで年収がすごく低く見えるようになっている自営業者、会社運営者というのは多いと思います。
税理士さんにもそういう税金対策を教えてもらえますからね。
しかしこのことで住宅ローン審査に悪影響を与えているわけですから、この税金対策を3年間やめてしまえばいいのです。それによって3年間の実績を簡単に作ることが出来ます。
3年間の実績がないと土俵にさえ上がれない反面、3年間の安定実績があれば、驚くほど簡単に通ってしまうケースの方が多いと銀行関係者からも聞きました。
ちょっと我慢して税金を多く払うことで住宅ローンを・・・。
これがまず1つ出来ることではありますが、住宅ローンの審査のためだけに、わざわざ払わなくていい、払う必要のない高額の税金を3年間も納めるのでは何が何やら・・・
そういう気分にもなりますよね。
ですから、ご自身の状況と住宅ローンの希望の度合いにより判断して下さい。
銀行や信用金庫のプロパーローンを狙う
住宅ローンのメインとなるシステムは、銀行が貸し出すことになるものの、そこに保証会社が挟まっています。ですから、貸し倒れ等のリスクを銀行は背負っているわけではありません。
それに対して、プロパーという住宅ローン形式もあります。
これは、保証会社を介さず、銀行や信用金庫が自社でリスクを背負って貸してくれるものです。
ですから、これは先ほどのように審査の土台に乗らないということはありません。
銀行とのやり取りをしている時点で、プロパーの審査は始まっているようなものです。
住宅ローンは保証会社のシステム上組めない(3年間の実績がない)、しかし信頼は出来ると銀行側が判断すれば、プロパーローンで住宅ローンを組んでくれる可能性があります。
この場合、先ほどの自営業者Cでも組める可能性が大きく上がりますね。
プロパーになると、通常の住宅ローンよりもほんの少し金利が高くなると思いますが、ほとんど変わりませんし、フラット35と比べれば相当に割安なので、プロパー狙いは断然アリです。
銀行関係者との仲を深めておく
お金のあるところには必ず人が寄ってきます。先ほどの自営業者Cのところには、色んな銀行から色んな営業を受けていることと思います。
そこで何かしらの営業の話に乗って、専属で担当者がついていたとしましょう。
その銀行担当者にプロパーの話をすることで、向こうは当然断りにくくなります。
自分の営業を通してくれた社長さんに対して、プロパーを通せないとなると、社長さんだってその付き合いを切ってくる可能性がありますからね。世の中はわかりやすくギブ&テイクです。
自営業者Cのような立場で、銀行から営業を受けた時は、何かしら貸しを作っておくのもプロパーローン狙いであれば、悪くない手だと思います。
プロパーはあくまで、支店で判断し、その支店で作文を作り(本社へのお願い)、本社が最終的に判断することになります。ですから最終判断では担当者との仲は関係ありません。
しかし担当が一生懸命本社に良いことを書いて頼んでくれるようになります。
この作文で本社が客観的判断をするわけですから、作文を作る担当者に頑張ってもらう必要があるのです。
また、プロパーに関しては、大手銀行よりも、町の信用金庫などの方が通りやすいと不動産会社の中でも言われているそうなので、銀行がダメでも信用金庫にお願いしてみましょう。
頭金0は関係あるか
住宅ローンに関しては、審査が通るか否かに関しては頭金0でもほとんど影響がありません。結局のところ、借金になるわけですが、いくら借金出来るかという部分が頭金の影響になります。
審査が通った後で、いくら分のローンを組むかという話になり、そこで頭金の話になります。ですから、通るか通らないかという部分に関して頭金が用意出来ないことは気にする必要ありません。
プロパーの場合は作文に影響が出てくるかも知れませんが。
裏を返せば頭金をすごくたくさん用意出来るとしても、住宅ローンが通せない場合も多いわけで、それが自営業者Cということになりますね。このようにかなり複雑な仕組みになっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。住宅ローンの審査の仕組みを理解していただけたかと思います。家をローンで買いたいと思い立ったのであれば、見通しが立ってからでは遅いです。
いつか住宅ローンを・・・そう思った時から「いつか」のために向けて出来ることは事前に準備していけるようにしましょう。
現時点で住宅ローンが厳しいと思って諦めていた人も、計画を持って動ければ、色々と好転する可能性があります。フラット35なら通る可能性も高くなるでしょう。
何もせずに妥協したり諦めるくらいなら、最後まで夢のマイホームを追い掛けてみましょう。
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