リノベーション物件という言葉を最近ではよく聞きます。リフォームと何が違うんだろうという疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。実はそんなに変わるものではありません。
簡単に結論に触れておきますが、リフォームは元に戻す工事を基本とするのに対し、リノベーションは自分の好きなように新しい形に変えてしまおうというものになります。
詳しく見ていきましょう。
もくじ
リノベーション物件は新築以上
リノベーション・・・まず言葉がとてもカッコイイですよね。
いや、決してふざけているわけではありません。「言葉がかっこいい」というのは実は大事な部分なのだと私は考えています。なぜそう思うのかについては後述していきます。
内装をリノベーションするという場合、元々あった部屋のコンセプトそのものをひっくり返すくらいの変化があるものです。それこそ和室が洋室に変わるくらいの変化です。
ヒロミさんや滝沢秀明さん(タッキー)が芸能人の家をリフォームするという番組があるのをご存知でしょうか?有吉ゼミという番組ですが、あれはまさにリフォームではなく、リノベーションです。
私は何回か見た程度ですが、普通の狭いキッチンだったのをアイランドキッチンにしてみたり、テカテカの素材から木目調の少し使い古した感じの古風な部屋にするところも見ました。
また、特に使っていなかった部屋を海外風の寝室にしていたのも素敵でした。
前述のように、まさにコンセプトそのものをひっくり返すくらいの改装こそがリノベーションであるため、中古物件を安く購入し、内装を自分好みに丸々チェンジしてしまおう。
こういう考えの人にピッタリなのです。
確かに中古一戸建て物件である場合、前の住人の色が強く出ているはずです。また、前に誰も住んでいなかったとしても住宅を建てる際に決められたコンセプトがそこには必ずあるはずです。
内装のイメージをどうするのか、内装だけでなく玄関の雰囲気はどうか。
そう、玄関というのは非常に大切な部分ですね。玄関はその家の顔とも言われる部分です。
その家の第一印象ですからね。
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リフォームは元通りにすること
では、リフォームって何?ということになるかと思います。
これは賃貸物件、賃貸マンションなどを退去する際のことを思い浮かべて下さい。よく原状回復義務という言葉が契約書にあると思います。これは、出る時に元通りにしてねという意味です。
綺麗にして貸しますので、返す時は綺麗なままでお願いしますということです。
しかし実際には生活の汚れや経年劣化もあるので、綺麗なままというのは無理です。
そこで退去後に、綺麗にする工事が必ず入ることになります。
壁のクロスの張り替えであったり、カビなどをこすり落としたり、油汚れやヤニの臭いなどを落とすハウスクリーニングも含めた原状回復のための工事になります。
そしてこれこそが元通りにすることを目的とした工事なので、リフォームということになります。
こうして考えると、リノベーションとリフォームというのは目的そのものから全く違うものであることがわかると思います。そもそもリノベーションという言葉自体、昔は聞きませんでしたよね。
では、なぜ最近はリノベーションが主流になっているのでしょうか。
少し否定的な目線になってしまいますが、私の意見を書いていきます。
リノベーション物件は不動産業者の戦略
バレンタインデーはチョコレート会社が戦略のために作ったという話は聞いたことがあるかと思います。また、恵方巻なんていうものも昔はありませんでしたよね。
節分には豆まきをして、目刺しとひいらぎを魔除けで玄関に飾る。
これが節分だったはずなのに、いつの間にか恵方巻がメインになりつつあります。これもコンビニエンスストアの戦略で作られたものだということです。
同じようにリノベーションを流行らせたのも不動産屋さんの戦略だと思います。
良かったらコチラを先にご覧下さい。
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空き家問題は今の日本でさえ大きいもので、これから高齢社会が進んでいけばもっともっと問題が大きくなり、表面化してくると言われています。
少子化が進み、土地余りになっていくというものです。
また、高齢者が住んでいた家に誰も住む人がいなくなり、取り壊すのにもお金がかかるため、そのまま放置されてしまうという空き家問題は今後大きな社会現象となる恐れもあります。
そ・こ・で・・・
救世主となり得るのがこのリノベーションというわけです。
本来は築何十年も経過し、買い手がつくはずもないような物件があったとします。
それをリノベーションし、現代風や海外風の若者ウケするような内装に変身させたらどうでしょうか?しかもそれが他の物件と比べて安かったらどうでしょうか?
心が動かされる人も少なくないかと思います。
リノベーションの役割
このように、リノベーションというのは、本来買い手がつかないような物件を、若者に向けて売ってしまおうという不動産会社の戦略なのだろうと私は強く思っています。
ですが別に買ってはいけないというわけではありません。
売り手も売れて喜び、買い手側も安く現代風物件が買えて嬉しいのであれば、ウィンウィンの関係ということになりますし、これほど喜ばしいことはありません。素直にそう思います。
- 古くなった住宅を売りたい
- 買い手がつくような物件ではない
- 土地で売ろうにも、解体するのに大きな費用がかかる
- リノベーション費用なら解体費より安く出来る
- リノベーションしたら建物価値が上がって売れた
この流れを作り出すことこそリノベーションの役割です。
若者ウケ、流行りという2つの要素はとても良い相乗効果が期待出来ます。
本当に流行に乗ってしまえば、「リノベーション物件」という言葉を聞くだけで「すげぇ!」となる可能性だってあるわけですし、事実として2018年、すでにそう感じる人も少なくないかと思います。
ほら・・・そのためにも「言葉がかっこいい」必要があるんです。
ナタデココ、ティラミス、タピオカ・・・古いですか?でも、どれも意味がよくわからない横文字、カタカナですよね。流行るものの共通点になっているのです。リノベーション・・・良い響きですよね。
リノベーション物件も築年数だけはしっかり見よう
先ほどリンクを貼った中古物件の記事に書いてあるのですが、私の住んでいた賃貸マンションの近隣に、築60年のリノベーション物件が売りに出ていました。
妻が綺麗な物件があるというので見たのですが・・・その金額なんと5000万円オーバー。
私はその物件を見た時に少しパニックになってしまいました。
特徴を箇条書きにしてみましょう。
- テレビドラマで使われそうなくらい綺麗な内装
- 最新式のアイランドキッチン
- 吹き抜けもあってモダンな雰囲気
- バーベキューも出来そうな広い庭
- バリアフリーの新品風呂・トイレ
- 5000万円と高額だが広さ等を考えると安く感じる
- 築年数60年以上
いやこれ誤表記だと思いませんか?本当にすごい綺麗で、写真もたくさん載っていたんですよ。
テレビドラマで何度も見てきたような誰もがうらやむ感じの内装・・・。
これもテレビCMとかで使われそうな吹き抜けや庭・・・。
風呂やトイレの広さを見ても一流の家にしか見えない・・・。
それが5000万円?この地域で考えてもこれは格安レベルなのでは?
っと思った次の瞬間、築年数60年以上
これが飛び込んでくるわけですね。そこで価格的には納得するわけですが、でもそれと同時に築60年でこの綺麗さってどういうこと?という新たなパニックが生まれてくるわけです。
いや本当にパニックでした。
もちろん、築60年以上にも関わらず他の新築物件と比べても勝てるであろう内装の綺麗さはリノベーションによるものですが、それにしても築60年以上がここまで綺麗になるものなのか・・・。
そう考えると簡単にはパニックから開放されませんでした。
リノベーションは万能ではない
リノベーションは大掛かりな工事を施すわけですが、決して万能ではありません。
新築同様、もしくは新築以上の内装に変身することは確かです。
しかし、それはあくまで内装に限ったことであり、耐震性や耐久性という意味では、築年数が表す数値のままなのです。決して建て替えたわけでもなければ、柱を交換したわけでもありません。
ですから目に見えない部分の強度などをもう一度落ち着いて考えてみて下さい。
私はどんなに綺麗にリノベーションされていても、さすがに築60年以上の物件を購入し、そこから40年以上住みたいとは思えません。だって自分が生きている間に築100年を超えてしまうんですよ。
さすがにそう考えるとどんなリノベーションされた住宅も無理だと思いました。
リノベーション住宅を考えるのであれば、築年数の浅いリノベーション物件を、もしくは築年数の浅い中古物件を購入し、自分でリノベーションを依頼するのがいいかと思います。
上記築60年物件は少し縁があって見に行きもしました。
庭があるということで私の希望にも合致していましたので。
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ただ、そこでもっとすごい衝撃を受けることになったのです。まず庭に関して言えば、写真ほど綺麗なものではありませんでした。写真も現代の技術はすごいんだなぁ・・・と感心しました。
また、それだけでなく、広々とした庭の写真、そして広い庭という売り文句があったにも関わらず、そこまで広く感じなかったのです。そこには大きなトリックが隠されていました。
このあたりは実体験のまとめで書いていきたいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。リノベーションという言葉が流行れば流行るほど、それは売り手側の戦略なんだろうと私は今後も感じていくことと思います。
解体費用を使うことなく、買い手も安く手に入れられるという素晴らしい手段であるリノベーション。ですが、築年数は経過したままでのリレーになるという点も忘れてはいけません。
一生で一番高い買い物になるであろう自宅の購入です。
絶対に後悔しないよう、目に見える部分だけでなく、目に見えない場所にこそ気を使って考えていきたいものですね。